真備の笑顔のために

倉敷市真備支え合いセンターの今 Vol.1 〜支え合いセンターの活動内容について〜

2022年3月11日

全地域 活動報告

平成30年7月豪雨災害から3年半が経ちました。真備地区のみなさんは生活環境が整っていくのを嬉しく感じたり、更地になった場所を見て寂しく感じたり、さまざまな感情を持ちながら日々を過ごしているのではないでしょうか。

 

真備支え合いセンターでは、現在も真備地区で被災されたみなさんのサポートをおこなっています。改めてどのような活動をしているのか、真備支え合いセンターのセンター長 佐賀雅宏さんに話を聞きました。

 

真備支え合いセンターのセンター長 佐賀雅宏さん

 

真備支えい合いセンターが目指すのは、生活の再建

-真備支え合いセンターでは、どのような活動をおこなっていますか?

 

佐賀:

真備支え合いセンターの主な活動は、平成30年7月豪雨災害から3年半が過ぎた今も各家庭を訪問し、生活のようすを聞いたり、困りごとを相談窓口につないだりする活動をおこなっています。活動当初から、基本は変わっていません。

 

私たちは建設型・借上型仮設住宅に住む人たちだけを支援しているのではなく、被災した自宅で生活されているかたや親せき宅におられるかたも訪問しているのが特徴です。基本的には、罹災証明書が発行された世帯を訪問しています。

 

-家を再建した人にもサポートは続けているのですね。

 

佐賀:

「今の生活はどうですか?困っていることはありませんか?」と話をする時間は、みなさんの気持ちを知る大切な機会だと考えています。「真備で家を再建したけど、ごみステーションの当番がまだ再開できていない」「近所の人がまだ戻ってきていないので不安だ」など、実際に話をしないとわからない現状があります。みなさんから話を聞くたびに、“仮設住宅を退去した=安心して暮らせるようになった”ではないんだな、と思うのです。

 

真備支え合いセンターの活動で目指しているのは、“生活の再建”です。住まいが再建されても、安心して暮らせる地域にならないと「再建した」とは言えないと考えています。

大切にしたのは“寄り添う姿勢”

支え合い連絡員訪問

 

-話を聞くときに心がけてきたことはありますか?

 

佐賀:

平成30年7月豪雨災害の発生から今日まで、さまざまな不安や葛藤の気持ちを聞かせていただきました。話を聞くときに私たちが大切にしていたのは、被災されたみなさんの声に「しっかりと耳を傾ける」ことです。

 

聞きたいことはあるのですが、まずは話を聞きたい。雑談から話を始めて、話を進めるなかで今の状況を少しずつ教えていただいています。

 

-雑談のなかで話を聞いていたのですね。

 

佐賀:

こちらが聞きたい項目をただチェックする人になってしまうと、信用して話せないですよね。私たちが心配している気持ちを知っていただくと、私たちが“チェックマン”ではないと理解いただけるようになってきました。

 

活動当初は、誰にも言えない不満や不安を抱えている人も多かったです。はじめは涙を流しながら話をしていた人でも、思っていることを口に出すとだんだん気持ちが落ち着いてきて、帰り際には「少し気持ちがすっきりした」と言われるかたもいました。“話してもらうこと”そのものに意味があって、それも真備支え合いセンターの大切な役割であると感じています。

 

訪問をしている見守り連絡員をはじめ、私たちはみなさんに“寄り添う姿勢”を何よりも大切にしています。“機械的なヒアリングにならないように”というのは、もちろん今でも心にとどめていることです。これからも寄り添う姿勢を大切にしながら、“生活の再建”を目指して活動を続けていきます。