真備の笑顔のために

倉敷市真備支え合いセンターの今 Vol.4 〜人とのつながりとこれから〜

2022年3月11日

全地域 活動報告

平成30年7月豪雨災害から3年半が経ちました。生活環境が整っていくのを嬉しく感じたり、更地になった場所を見て寂しく感じたり、さまざまな感情を持ちながら日々を過ごしているのではないでしょうか。

 

真備支え合いセンターでは、現在も真備地区で被災されたみなさんのサポートをおこなっています。活動を通して、真備に住むみなさんとのつながりをどのようにつくってきたのか、真備支え合いセンターのセンター長 佐賀雅宏さんに話を聞きました。

見守り連絡員は「真備のために」という思いを持っている人に依頼

支え合い連絡員訪問

-見守り連絡員は、どのようなかたがされているのですか?

 

佐賀:

各世帯を訪問する見守り連絡員は、真備支え合いセンターを開設したときには3名でした。その後も募集を続け、多いときには50名くらいのメンバーがいたこともあります。ご自身が被災されたかたもいらっしゃいました。

 

見守り連絡員を募集するとき、とくに大切にしたのは「“真備のために”という思いを持っているかどうか」でした。以前もお話しましたが、私たちはただ訪問しているわけではないんですよね。真備に住むみなさんの、今の生活のようすを聞かせていただき、お困りごとがあれば、制度や関係機関を利用して生活のサポートをさせていただきたい。だから「“真備のために”と思っている人」を採用していました。

 

もともと災害ボランティアセンターで活動されていたかたに声をかけたり、これまでのボランティア活動などでご一緒したかたに声をかけたりしました。

 

見守り連絡員一人ひとりが、真備のみなさんに真摯に向き合ってくださった結果、これまで大きな問題もなく活動を続けることができています。

真備地区を離れた人ともつながる「絵手紙」

絵手紙

-人とのつながりをつくるために、工夫されていることはありますか?

 

佐賀:

そうですね……、“真備とのつながり”と言ったほうがいいかもしれないですが、年に4回、季節が変わるタイミングで真備支え合いセンターから絵手紙をお送りしています。ありがたいことに、反響を多くいただいていますね。

 

きっかけは、「災害から1年が経つ」というタイミングでした。節目の時には様々な思いを抱えてしまい、精神的に落ち込む時期だと保健師さんから聞いたんです。災害を機に真備地区を離れたかたもいるなかで、なんとか気持ちを伝えられないだろうかと考えてはじめたのが、絵手紙でした。ちょうど絵手紙教室の先生と知り合って、依頼したら快く引き受けてくださったんです。

 

「みなさんお変わりないですか?」「みなさんのことを気にしています」と、季節を感じる柔らかな絵とともに私たちからのメッセージを伝えられ、いい活動になっていると思っています。実際、お返事をいただくことも多いんですよ。「忘れられていないんだなと感じました」とか「色がついているハガキが届いて癒されました」とか。住む場所はバラバラでも、“平成30年7月豪雨災害の被災者”であることは変わりません。これからも、人とのつながりをつくる活動は続けていきたいですね。

元気でいてくれれば、それでいい

真備支え合いセンターのみなさん

-最後に、平成30年7月豪雨で被災したみなさんへメッセージをお願いします。

 

佐賀:

みなさんが元気でいてくれれば、それでいいなと思います。

 

残念ながら全てが災害前に戻ることはできないけれど、災害をきっかけにわかったことは、“みなさんが真備地区を愛してくれている”ということです。真備愛が強いみなさんにとって、真備に住むみなさん同士が何らかのかたちでつながりを感じられるような取り組みをしたいと思っています。つながりが深まれば、安心感にもつながっていきます。

 

何かあれば私たちにご相談いただけたらと思います。真備地区を離れたみなさんも含めて、今後ともよろしくお願いします。